ようやく仕事終わり

 ちょっとここのところ立て込んでた仕事が終了。溜めてたここのところの銀魂のビデオをまったり視聴。たまクエいいなぁ。白血球王さいこー。

 ということで、ジャンプで読んで盛り上がったときに突発的に書いたものの、どこに上げたらいいか悩んで放置したたまSSを貼ってみる。ノーマルカプだから腐女子グループに貼るのも微妙?みたいな。

 後悔はしていない。…いや、ちょっとしてるかも。

 以下、ネタバレ注意。白血球王×たま、萌え。

※※※

「…今日1日のウイルス攻撃は3件。うち2件は既存タイプだったため、従来型ワクチン部隊による攻撃により撃退。1件は亜種でしたが、T型白血球部隊の先行偵察により、原型ウイルスを同定、免疫機構を動員して新型ワクチン部隊を生産。3回の試行ののち、増殖前にこれを殲滅することができました…」

 報告していたDQ勇者風の男は、めくって読み上げていた書類から目を上げると、目の前の緑の髪の女を見た。

「…たま様?」

 その声に、はっとその女――たまが我に返る。

「…ご、ご苦労でした。いつもありがとう、白血球王よ。戦闘に出た部隊にも、たまが感謝をしていたと伝えてください」

「は、ありがたきお言葉。部下たちも喜ぶことでしょう」

 男――白髪に柔らかな曲線を持つ美貌の持ち主――白血球王は、胸に拳を当てる敬礼の姿勢を取ると一礼して見せた。優雅なそのしぐさに、たまはふっと見とれる。

「…たま様、お加減でも? ウイルスは駆除したはずですが、スパイウエアか何かが潜入してしまったのでしょうか」

 ぼうっと自分を見るたまを、白血球王は気遣った。

「いえ、なんでもありません。…いえ。そうね、少し疲れたかもしれません。近う」

 たまは、少し逡巡した後、男を呼んだ。男が呼ばれるままに近寄ると、その手をとって自分の頬に当てた。

「たま…さま?」

「少しだけ…少しだけこうしていてください」

 彼は自分を守るために作られたプログラム。ただ私のためだけに存在するプログラム。姿形はそのモデルとなった男にとても酷似していても、たとえ多くの行動データをその中に写しこんでいても、オリジナルとは違う。分かっている。分かっているのだけれども。

「たまさま…」

 男はちょっと困ったように空いた手で頭を掻くと、そのままぽむぽむとたまの頭を撫でた。それが誰かを思い起こさせて…それがなぜかおかしくて、たまは思わず笑って…そして涙をひとつぶ、こぼした。

※※※

 彼女は――予備領域に避難することでようやく動いていたたまのかけらは、今消えようとしていた。

「時間が…ありません 最後に…お願いきいて もらえま…すか」

 消え行く彼女が語りかけるのは、オリジナルの男――彼女が生まれた場所から逃げ延びたときに救ってくれた男。ずっと傍でそのあり方を見つめ続けた男。彼女を救うために…ただそのためだけに、こんなロボットの体内まで来てくれた…お人よしな人。

「私の…こと…は…もう…い…です」

 どちらがより大切かなど、もうとっくにわからなくなっていた。

「せめて…彼だ…け…でも…」

 生きて、生き延びて。私の愛しいひと。

「護って…あげ…て」

 暗闇がたまを飲み込む。…たまが消えた場所をしばらく見つめたあと、男は立ち上がった。

「……たまよ 悪いがその頼み聞けねーや」

 自分に良く似たその男を思う。

「もし、野郎が俺のよく出来た分身ってんなら…奴ァそんな事望んじゃいねーだろうぜ」

 はじめ見たときは驚いたが、しばらくやりあってみて、確かに自分と似ていると思った。はっきりいって、こっ恥ずかしい。だからこそわかる。大事なものを捨てて自分だけ逃げるなんてできやしない。だから…

「…だが、死なせやしねーよ 誰も」

 誰も死なせない。いつも自分がしてきたように。護るものは常に同じ。

「てめーの友達(ダチ)も 俺の友達(ダチ)もな」

 いつも護ってみせる。そのために、男は剣を抜くのだった。