いくつか追記

 先日の記事(id:yura_saito:20090402)にえらいブクマがついてたので、ちょっとフォロー入れときます。…ちょっとが長い…orz。

1.「自閉域」という用語について

 うろ覚えで書いたので超適当用語になっております。すんません。一般には「自閉圏」と言うと思います。失礼しました。

2.「感情的報酬」という用語について

 こちらは、狸穴猫さんの「定型発達者は感情的報酬を求める。」からいお借りしてきたのですが、学術用語というわけではないと思います。

 「感情的報酬」を心理学的に説明しようとすると、「承認欲求を満たす」あたりになるんでしょうか。人間誰にでもある程度「認められたい、褒められたい、などなど」の承認欲求があるものだと思いますが、それを小さなレベルでこまめに互いに充足させることで、互いの好意を確認して絆を強めてる、ようです。

 ちょっとそういう視点から、風邪を引いて疲れてる人に対するいたわりのやり取りでの承認の交換状況を補ってみましょうか。

A「何か熱っぽいの」
(つらい状況をわかって欲しい(認めて欲しい)と、つらそうなそぶりでアピール)
B「あら大変ね、それはきついでしょう」
(つらいことを私はわかってます(承認した)よ、と声には心配そうな響きを乗せてアピール)
A「ありがとう。でも寝てると治ると思うから」
(わかってくれたことに対して、少し嬉しそうなそぶりを見せて感謝をアピール(相手に対するギブアンドテイク的な承認)。でもこれ以上の承認要求はしつこいので切り上げる(たくさん承認を求めるのはNG、あくまで軽く))
B「そう、あったかくして寝てくださいね。お大事に」
(切り上げに入ったことを了解する。でもやはり相手のことを心配してるのだとアピールする(承認の維持)ために、心配そうなトーンを維持する。また、助言を与える(さりげない承認のリクエスト))
A「ええ、ちゃんと布団に入って寝ます。ありがとう。さようなら」
(微笑むことで相手の助言を確かに受け入れたことを示した(承認した)上で、心配してくれたことに感謝してみせる(これも承認)。そして、会話を終了することを示す)
B「さようなら」
(相手の会話終了信号を受けて、会話を終了する。ただし情感を込めて心配していることをアピールする(承認の維持)のは忘れない)

 こんな感じでしょうか。補ってみると確かに非常にこまめに承認しあってる気がします(おい)。これに対して、食い違うパターンというのはこんな感じでしょうか。

A「なんか、熱っぽいの」
(つらい状況をわかって欲しい(承認して欲しい)と、つらそうなそぶりでアピール)
B「そう、何度あるの?」
(状況を判断するためにデータを集めようとする(結果として承認要求は拒絶された形になる)。当然、声は普通のまま)
A「…計ってないからわからない」
(つらい状況を認めてもらえなかった(承認が断られた)のでむっとする(承認してくれないのかという不満の表明))
B「体温計は持ってるの?」
(あくまでデータを集めようとする(不満の無視)。相変わらず声は普通)
A「そんなもの持ってない」
(むっとしたことにも気がついてもらえず(不満の表明も無視された)いらいらし始めて、ぶっきらぼうな言い方をする(さらなる不満の表明))
B「私も持ってないな。それじゃ医者にいったほうが早い。医者に行ったほうがいいよ」
(あくまで親切心で解決法を提示(まったく不満に気がつかずに無視)。相変わらず声は(ry)
A「…わかった。行ってくる」
(それでも相手を承認するために助言を受け入れた発言を残すが、Aにとっては要求がはねつけられ、不満の表明は無視され、自分だけ相手の承認を行ったという非常に不公平な状態にある。このためむすっとした顔で退場するが、助言を与えていいことをしたとしか思っていないBは困惑し、よっぽど具合が悪かったのかと思う)

 まあ、このくらいの食い違いは自閉圏とまでいわなくても、男性ならけっこうある気もしますけどね。元増田はAとB逆で内容が重すぎたケースかな。#逆パターン追記

A「熱があるっぽい」(事実の表明)
B「あら大変ね、それはきついでしょう」
(承認要求だとみなし、つらいことを私はわかってます(承認した)よ、と声には心配そうな響きを乗せてアピール)
A「確かにきつい気がする」
(承認ではなく質問と捉え、状況を確認して事実を述べる)
B「…まあ、それはいけないわ、早く寝たほうがいいわよ」
(心配してあげたのに感謝が返ってこなかった(承認に対するお返しの承認がない)ことに幾分困惑しつつ、承認を維持。そして、助言を与えてさりげなく承認のリクエスト)
A(1)「そうだね。これは寝て回復を待つのがいいと思う。助言ありがとう。では」
(解決策の提案を検討し、妥当であることに同意し、そのことに感謝。そして、実施するために去る)
または、
A(2)「いや、これは病院に行って診断を受けたほうがいいと思う。助言ありがとう。では」
(解決策の提案を検討し、違う解決策の方がよいと判断したので、そのことを述べ、実施するために去る)
B「…変な人」
(期待した形の承認が得られなかったので困惑する)

 内容が重くなければそれほど変でもないかなぁ。そうでもない?

 女性の方が細やかな承認(前記事でいうところの感情的報酬)の交換とそれによる絆の維持に熱心だと思います。だから、女子をひとり敵にすると、その集団の女子全てが敵になるんですよね…。

 個人的には、こういう承認のやりとりなくていいほうが正直楽なんですけどねー。

「熱があるっぽい」(事実の表明)
「そう、何度?」(解決策を模索するための問い合わせ)
「計ってないからわからないなぁ」(事実の表明)
「体温計は?」(解決策を模索するための問い合わせ)
「家にはないね」(事実の表明)
「病院に行ったら?」(解決策を提案)
「そうだね、送ってくれる?」(提案の承認と要求)
「OK」(要求の承認)

くらいが超楽(苦笑)。

3.怒っている人への対処は、まだまとまってません

すんません。